新潟県新発田市の月岡温泉にある「割烹の宿 いま井」。
その歴史は、大正4年(1915年)に創業した「月岡館」から始まります。
現在のいま井は、全11室の客室、日本庭園、月岡温泉の内湯や露天風呂、そして宿の名前にも掲げられた「割烹」を特徴とする純和風の宿です。
夕食には新潟の旬を取り入れた会席料理が用意され、奥阿賀産コシヒカリは一部屋ごとに土鍋で炊き上げられます。
客室や庭園、温泉、料理を通して、和の旅館で過ごす時間を楽しめるのが、いま井の魅力です。
この記事では「割烹の宿 いま井」について、創業から現在までの歴史をはじめ、客室、温泉、料理、日本庭園、アクセスまで詳しく紹介します。
歴史|1915年「月岡館」から始まった宿

月岡温泉の歴史は、大正4年(1915年)、石油の試掘中に温泉が湧出したことから始まります。
「割烹の宿 いま井」の歴史も、月岡温泉が開湯したのと同じ大正4年(1915年)に始まりました。
創業者・今井慶作が「月岡館」を建て、月岡温泉で温泉を内湯に持つ最初の温泉旅館として創業したのが、現在のいま井のルーツです。
月岡温泉が温泉地として歩み始めた、その最初期から続いてきた宿のひとつということになります。
創業間もない頃、今井慶作は月岡温泉の発展と商売繁盛を願い、山の上にお稲荷様を建立しました。
京都の伏見稲荷大社から毎年お札が届けられる由緒あるお稲荷様で、後のリニューアルを機に、より多くの人が参拝できるよう現在の場所へ移されています。
現在も、いま井の敷地内にその姿を見ることができます。
その後、宿は時代とともに姿を変えていきます。
地域メディア「月刊にいがた」の取材記事によると、平成元年(1989年)に「割烹の宿いま井」としてリニューアル。
客室数を抑えることで、きめ細やかなおもてなしとプライベート性を重視した宿として、新たなスタートを切ったと紹介されています。
なお、平成元年というリニューアル時期については、現在のいま井公式サイトには明記されていないため、本記事では地域メディアの記録をもとに紹介しています。
大正4年の「月岡館」創業から100年以上。
月岡温泉と同じ時代に歩み始めた宿は、現在では全11室の「割烹の宿 いま井」として、その歴史を受け継いでいます。
そして現在のいま井を特徴づけているのが、和の客室と温泉、そして宿の名前にも掲げられた「割烹」です。
客室|庭園と木々を望む、趣の異なる和の空間

割烹の宿 いま井には、日本庭園に面した部屋や、木立の小庭を望む部屋など、それぞれ趣の異なる客室が用意されています。
客室には「葵」「椿」「蓬」「橘」「桐」「菫」「桔梗」「合歓」「菖蒲」「芙蓉」など、それぞれに名前が付けられています。
間取りも一様ではありません。
「葵」「椿」と、離れにも似た雰囲気を持つ「蓬」は12畳+8畳。
「橘」「桐」は10畳+8畳で、和の空間にテーブルとベッドを備えています。布団ではなくベッドで休みたい場合や、足元に不安がある人にも案内されている客室です。
「菫」は12畳+8畳、「桔梗」「合歓」は10畳+6畳、「菖蒲」「芙蓉」は8畳+6畳となっており、宿泊人数や過ごし方に合わせて異なる客室を選ぶことができます。
また、「桔梗」「合歓」「菖蒲」「芙蓉」は、子どもの利用ができない客室となっています。
そして、いま井の客室の特徴のひとつが、すべての部屋に木造りのお風呂が備えられていることです。
大浴場とは別に客室内にも浴室があるため、部屋でゆっくりと入浴することができます。
日本庭園や木々を望む眺め、二間続きの和室、ベッドを備えた部屋など、それぞれ異なるしつらえを持ついま井の客室。
同じ宿の中でも、選ぶ部屋によって異なる過ごし方ができるようになっています。
温泉|硫黄の香りに包まれる月岡温泉の湯

割烹の宿 いま井では、月岡温泉の湯を内湯と露天風呂で楽しむことができます。
内湯で目を引くのが、天井まで続く大きな窓です。
湯船のすぐそばまで大きく取られた窓から外の景色を眺めながら、硫黄の香りを感じる月岡温泉の湯に浸かることができます。
内湯からそのまま進んだ先には、岩造りの露天風呂があります。
屋外に設けられた露天風呂では、季節によって変化する周囲の景色を感じながら温泉を楽しめる造りとなっています。
月岡温泉は硫黄を含む温泉として知られ、いま井の公式サイトでも、硫黄や塩化物など湯に含まれる成分について紹介されています。
入浴可能時間は5:00〜11:00と15:00〜24:00。
朝にも入浴できるため、夕食前や夜だけでなく、翌朝にも月岡温泉を楽しむことができます。
大きな窓を備えた内湯と、その先に続く岩造りの露天風呂。
いま井では、純和風の宿の中で、月岡温泉の湯をゆっくり楽しむことができます。
料理|「割烹の宿」を支える新潟の旬

「割烹の宿」という名前を掲げるいま井で、滞在の大きな楽しみとなるのが料理です。
夕食には、新潟の旬の食材を取り入れた和食会席料理が用意されます。
近隣市場から仕入れる地場野菜をはじめ、近郊の漁港で水揚げされた日本海の魚介、春の山菜、秋のきのこなど、季節ごとの食材が献立に取り入れられています。
素材そのものの良さを味わえるよう料理はシンプルに仕立て、手間を惜しまず用意することを大切にしているのも、いま井の料理の特徴です。
そして、会席料理とともに味わいたいのが、新潟県産の「奥阿賀産コシヒカリ」です。
いま井では、一部屋ごとに土鍋を使って丁寧に炊き上げています。
夕食は客室で提供されるため、部屋で過ごしながら会席料理と炊きたてのご飯を楽しむことができます。
また、連泊する場合には、特に指定がなければ初日とは異なる献立が用意されます。同じ料理を希望する場合は、事前に伝えることで対応してもらうこともできます。
朝食にも季節の食材が取り入れられ、夕食とはまた違った料理が用意されます。
地場野菜や日本海の魚介、季節の山菜やきのこ、そして一部屋ごとに土鍋で炊き上げる奥阿賀産コシヒカリ。
「割烹の宿 いま井」という名前の通り、新潟の旬を料理で味わえることが、この宿を特徴づける大きな要素となっています。
館内・日本庭園|四季の景色を楽しむ和の空間

割烹の宿 いま井では、門をくぐると玄関まで石畳が続き、その先に純和風の館内が広がります。
宿の大きな特徴となっているのが、四季によって表情を変える日本庭園です。
春から夏にかけては新緑、秋には赤や黄色に染まる紅葉、冬には雪景色と、訪れる季節によって異なる景色を楽しむことができます。
館内には庭園に面した大きな窓が設けられており、外に出なくても季節の移ろいを眺められる造りとなっています。
湯上がりや出発前などに利用できるラウンジもあり、滞在中は自由に利用できます。
朝食後には、1階のラウンジでモーニングコーヒーを飲みながら、中庭を眺めて過ごすこともできます。
また、館内の売店には、スタッフが選んだ地元のお土産品が用意されています。
門から玄関へ続く石畳、日本庭園を望む大きな窓、中庭を眺めながら過ごせるラウンジ。
客室や温泉だけでなく、館内でも四季の景色と和の雰囲気を感じられるのが、いま井の特徴です。
アクセス・駐車場|豊栄駅から無料送迎も利用可能
割烹の宿 いま井は、新潟県新発田市月岡温泉350にあります。
車で向かう場合は、日本海東北自動車道「豊栄新潟東港IC」から月岡温泉方面へ約15分。
磐越自動車道を利用する場合は、「安田IC」から月岡温泉方面へ約15分が目安です。
電車の場合、JR羽越本線「月岡駅」から宿までは車で約10分です。
また、JR白新線「豊栄駅」からは車で約20分、「新発田駅」からも約20分となっています。
東京・北陸方面から向かう場合は、上越新幹線で新潟駅まで行き、JR白新線に乗り換えて豊栄駅へ向かうルートが公式サイトで案内されています。
いま井では、豊栄駅南口と宿を結ぶ無料送迎サービスも行っています。
豊栄駅南口から宿への迎えは14:50と15:50、宿から豊栄駅南口への送りは11:00発です。
無料送迎は事前予約制で、利用日の3日前までに予約が必要です。定員があるため、利用する場合は宿泊予約とあわせて確認しておくと安心です。
そのほか、新潟駅・新発田駅から月岡温泉へ向かう有料の直通バスも案内されています。
車で訪れる場合には、無料駐車場を利用できます。
車だけでなく、鉄道と無料送迎、直通バスを組み合わせて向かうこともできるため、出発地に合わせて交通手段を選ぶことができます。
まとめ|月岡温泉とともに歩んできた「割烹の宿」

大正4年(1915年)、「月岡館」として始まった割烹の宿 いま井。
月岡温泉が歩み始めた時代から続く宿は、現在では全11室の純和風旅館として、その歴史を受け継いでいます。
日本庭園や木々を望む客室、大きな窓を備えた内湯と岩造りの露天風呂、四季によって表情を変える庭園。
そして、宿の名前にも掲げられている「割烹」。
夕食には新潟の旬を取り入れた会席料理が用意され、奥阿賀産コシヒカリは一部屋ごとに土鍋で炊き上げられます。
客室で料理を味わい、月岡温泉の湯に浸かり、館内から四季の庭園を眺める。
いま井では、こうした和の旅館ならではの時間を過ごすことができます。
月岡温泉の歴史とともに歩んできた宿で、新潟の食、温泉、四季の景色を楽しむ。
「割烹の宿 いま井」は、月岡温泉で料理と和の旅館での滞在を楽しみたい人に、知っておきたい一軒です。



