新潟県新発田市の月岡温泉にある「村上館 湯伝」。
創業100年を超え、月岡温泉で長く宿泊客を迎えてきた老舗旅館です。
客室は全21室。和室を中心とした通常客室のほか、露天風呂付き客室棟「万楽」があり、それぞれ趣の異なる4室が用意されています。
温泉は、男女別の大浴場と露天風呂に加え、「一の湯」と「外の湯」という2つの貸切風呂でも楽しめます。
夕食には、日本海の魚介類や契約農家から仕入れるコシヒカリなど、地元の食材を取り入れた旬替わりの会席料理を提供しています。
創業100年を超える歴史、趣の異なる客室、月岡温泉の源泉、旬の食材を活かした料理。昔ながらの温泉旅館の趣を残しながら、多様な過ごし方に対応しているのが村上館 湯伝です。
この記事では「村上館 湯伝」について、宿の歴史をはじめ、客室、温泉、料理、館内施設、アクセスまで詳しく紹介します。
歴史|創業100年を超える老舗旅館

村上館 湯伝は、月岡温泉で100年以上にわたって営業を続けてきた老舗旅館です。
公開されている資料では正確な創業年を確認できませんが、新潟日報では「創業100年を超える老舗」と紹介されています。
月岡温泉の歴史は、大正4年(1915年)、石油を掘削していた際に温泉が湧き出したことから始まりました。
村上館 湯伝も、月岡温泉が湯治場から観光温泉地へと発展していくなかで、長く宿泊客を迎えてきた旅館の一つです。
令和6年(2024年)8月下旬には、旅館の事業承継を目的として、新発田市の旅行会社「株式会社ケー・オー・ケー・ケー(KOKK)」が、村上館 湯伝の運営会社の株式を3分の2以上取得しました。
同社は、企画旅行「ハミングツアー」を運営している旅行会社です。村上館 湯伝では後継者が見つからず、事業を引き継ぐ企業を探していたことから、今回の事業承継に至りました。
事業承継が報じられた令和6年(2024年)11月時点では、客室の洋室化などを検討し、海外から訪れる旅行者の受け入れを強化する方針が示されていました。
創業から100年以上にわたって受け継がれてきた村上館 湯伝は、老舗旅館としての歩みを守りながら、次の時代に向けた取り組みを始めています。
客室|通常客室と露天風呂付き客室「万楽」

村上館 湯伝には、全21室の客室が用意されています。
客室は、通常客室の「本館」「野花亭」「月楽庵」と、専用露天風呂を備えた客室棟「万楽」に分かれています。
本館には、10畳の和室にセミダブルベッド2台を備えた「和のツインルーム」があります。定員は1~3名で、客室はエレベーターで移動できる2階または3階に位置しています。室内にお風呂はありません。
野花亭は、二間続きのゆとりある和室です。定員は1~5名で、洗い場のある客室風呂とトイレを備えています。
客室は2階にあり、エレベーターを降りたあとに6段の階段がありますが、スロープも設けられています。
月楽庵は、定員1~4名の10畳和室です。客室は2階にあり、移動には階段を利用します。こちらの棟にはエレベーターがなく、客室内にお風呂もないため、予約の際は確認しておくと安心です。
露天風呂付き客室「万楽」

万楽は、木造2階建ての露天風呂付き客室棟です。
1階には「有明」と「高砂」があり、定員は1~4名。どちらも和室8畳と和のベッドルーム、広縁、デッキバルコニーで構成されています。
有明には円形の露天風呂、高砂には長方形のヒバ材を使った露天風呂が設けられています。
2階にあるのは「相生」と「蓬莱」で、定員は1~2名です。どちらも和室8畳と和のベッドルーム、広縁を備えています。
相生の露天風呂は蒲鉾型、蓬莱は砂岩を使用した正方形の造りです。4室すべてに、シモンズ社製のセミダブルベッドが2台用意されています。
ただし、万楽の客室露天風呂は温泉ではなく、沸かし湯です。月岡温泉の源泉は、大浴場や男女別露天風呂、2つの貸切風呂で楽しめます。
万楽は大人のみ利用できる客室で、子ども連れでは宿泊できません。1階または2階の客室タイプは選べますが、同じ階にある客室のうち、どの部屋になるかは宿にお任せとなります。
また、万楽は木造2階建てのため、1階では2階の足音が響く場合があります。音が気になる場合は、予約前に宿へ相談しておくとよいでしょう。
温泉|大浴場と2つの貸切風呂

村上館 湯伝では、男女別の大浴場と露天風呂、2つの貸切風呂で月岡温泉の湯を楽しめます。
月岡温泉は、硫黄の香りとエメラルドグリーンの湯で知られる温泉です。村上館 湯伝の大浴場と貸切風呂にも、月岡温泉の源泉が使われています。
男女別の大浴場には、それぞれ内風呂と露天風呂が設けられています。館内には男女それぞれのサウナもあり、利用時間は15時から21時までです。
大浴場の入浴時間は、15時から24時までと、翌朝5時から9時30分まで。到着後や夕食後だけでなく、翌朝にも温泉を楽しめます。
2つの貸切風呂「一の湯」と「外の湯」
周囲を気にせず温泉を楽しみたい場合には、「一の湯」と「外の湯」という2つの貸切風呂があります。
「一の湯」は、内湯と露天風呂を備えた貸切風呂です。料金は1回45分3,000円となっています。
「外の湯」は露天風呂のみの造りで、料金は1回45分2,000円です。
貸切風呂は事前予約のほか、当日に空きがあればフロントでも予約できます。利用したい時間が決まっている場合は、宿泊前に予約しておくと安心です。
なお、露天風呂付き客室「万楽」の客室風呂は温泉ではなく、沸かし湯です。
客室では周囲を気にせず入浴し、大浴場や貸切風呂では月岡温泉の源泉を楽しむという、異なる過ごし方ができます。
料金や利用時間は変更される場合があるため、予約時に最新情報を確認してください。
料理|日本海の魚介と旬替わりの会席料理

村上館 湯伝の夕食には、日本海の魚介類や地元の旬の食材を取り入れた、旬替わりの会席料理が用意されています。
料理は、できる限り既製品を使わず、素材から取ったダシや食材本来の味を活かしながら、一品ずつ手作りされています。
使われる食材の一つが、毎朝市場から仕入れる鮮魚です。季節や宿泊プランによっては、新潟を代表する高級魚のノドグロや、地元新発田市のブランド牛「新発田牛」を味わえる料理も用意されています。
ご飯には、契約農家から直接仕入れた特選コシヒカリを使用。日本海の魚介類と新潟の米を組み合わせた、温泉旅館らしい会席料理を楽しめます。
献立は季節に合わせて変わるため、訪れる時期によって異なる料理に出会えるのも特徴です。
食事場所と提供時間
夕食は17時30分からで、最終の開始時間は19時30分です。
食事場所は客室または食事処となり、客室や宿泊プランによって異なります。部屋食は4名まで対応しています。
朝食は7時30分からで、夕食と同様に客室または食事処で提供されます。食事場所を重視して宿泊プランを選ぶ場合は、予約時に確認しておくと安心です。
追加料理と新潟の地酒
通常の会席料理に加えて、特選和牛のステーキ、越後若鶏の柚庵漬け炭火焼き、新潟県産ブランド豚「純白のビアンカ」のステーキなども用意されています。
新潟の日本酒を飲み比べられる利き酒セットもあり、会席料理と一緒に地酒を楽しめます。
追加料理の内容や料金は時期によって変わる場合があるため、希望する場合は予約時に確認してください。
館内施設と中庭|和の雰囲気を感じる空間

村上館 湯伝の館内は、和の趣を残した落ち着いた空間となっています。
ロビーから眺められるのが、緑に囲まれた中庭です。館内には中庭に面したデッキや縁側も設けられており、温泉や食事の前後に庭を眺めながら過ごせます。
館内には、くつろぎの空間として和み処「月うさぎ」があるほか、お土産を扱う「月みやげ」も用意されています。
そのほか、150畳の大広間、72畳の中広間、会議室なども備えています。個人や家族での宿泊だけでなく、宴会や団体での利用にも対応した施設構成です。
館内のバリアフリー設備
館内には、車椅子で利用できる多目的トイレが設置されています。
貸切風呂「一の湯」へ向かう場所にはスロープが設けられているほか、車椅子やシャワーチェアの貸し出しにも対応しています。
筆記用具を使った筆談にも対応していますが、館内すべてが段差のない造りではありません。階段を利用する客室もあるため、移動に不安がある場合は、予約前に宿へ相談しておくと安心です。
アクセス|車・電車・直行バスでの行き方
村上館 湯伝の所在地は、新潟県新発田市月岡温泉230です。
車でのアクセス
日本海東北自動車道「豊栄新潟東港IC」からは、車で約15分です。
磐越自動車道「安田IC」から向かう場合は、国道290号を経由して約15分となっています。
宿泊者が無料で利用できる駐車場が50台分用意されています。
新潟駅から直行バスを利用する場合
JR新潟駅南口から月岡温泉までは、有料の直行バスが毎日運行されています。所要時間は約60分です。
2026年9月現在、新潟駅南口の出発時刻は13時と15時30分。片道料金は1,500円で、予約は必要なく先着順となっています。
月岡温泉から新潟駅へ向かう便は、10時15分と14時10分に出発します。
新発田駅から直行バスを利用する場合
JR新発田駅から月岡温泉までは、直行バスで約25分です。
2026年9月現在、新発田駅の出発時刻は10時50分と15時30分。片道料金は大人500円、子ども300円で、予約は必要なく先着順となっています。
月岡温泉から新発田駅へ向かう便は、10時20分と11時15分に出発します。
月岡温泉側の発着場所は、「いま井」入口脇にある月岡仲町の乗降場所です。
豊栄駅から向かう場合
JR豊栄駅と月岡温泉を結んでいたシャトルバスは、2025年7月24日をもって運行休止となりました。
現在、豊栄駅から村上館 湯伝へ向かう場合は、タクシーの利用が便利です。豊栄駅からの所要時間は約15分となっています。
新潟空港からのアクセス
新潟空港から月岡温泉までは、車で約40分です。
公共交通機関を利用する場合は、新潟空港からリムジンバスで新潟駅へ移動し、新潟駅南口から月岡温泉行きの直行バスに乗り継ぐ方法があります。
直行バスの時刻や料金は変更される場合があるため、利用前に月岡温泉旅館組合の公式サイトで最新情報を確認してください。
まとめ

村上館 湯伝は、月岡温泉で100年以上にわたって営業を続けてきた老舗旅館です。
館内には全21室の客室があり、本館、野花亭、月楽庵の通常客室に加え、専用露天風呂を備えた客室棟「万楽」が用意されています。
万楽には、それぞれ異なる造りの露天風呂を備えた4室があり、すべての客室にシモンズ社製のセミダブルベッドが2台ずつ設置されています。ただし、万楽は大人のみ利用できる客室で、客室の露天風呂は温泉ではなく沸かし湯です。
月岡温泉の源泉は、男女別の大浴場と露天風呂、「一の湯」と「外の湯」という2つの貸切風呂で楽しめます。
夕食には、日本海の魚介類や契約農家から仕入れるコシヒカリなどを使った、旬替わりの会席料理が提供されます。料理は、できる限り既製品を使わず、素材の味やダシを活かして一品ずつ仕上げられています。
館内には緑あふれる中庭があり、ロビーやデッキ、縁側から庭を眺めながら過ごせます。多目的トイレや貸切風呂「一の湯」へ向かうスロープなど、館内の一部にはバリアフリー設備も設けられています。
令和6年(2024年)には事業承継によって運営体制が変わり、老舗旅館としての歩みを受け継ぎながら、新たな取り組みも始まっています。
創業100年を超える歴史、月岡温泉の源泉、旬の会席料理、和の趣を感じる館内。昔ながらの温泉旅館で、落ち着いた時間を過ごしたい人に適した宿です。
客室によって設備や利用条件が異なり、食事場所も宿泊プランによって変わるため、予約前に内容を確認しておくと安心です。





