営業・勧誘・セールスを目的としたお電話は固くお断りしております。

三川観光きのこ園

目次

三川観光きのこ園とは

磐越自動車道の三川インターチェンジを降り、国道49号方面へ車を走らせる。杉林に囲まれた一角に、大きな木造の建物が見えてくる。ここが「三川観光きのこ園&カサブランカ園」である。

約1万2千坪の敷地には、杉林を生かしたきのこ栽培のエリアをはじめ、展望大食堂「きのこの館」、売店、バーベキューハウス、秋にはカサブランカが咲く庭園などが整備されている。春から秋にかけて、きのこ狩りや食事を楽しみながら園内で時間を過ごせる観光農園となっている。

しかし、この場所の始まりは、きのこ狩りではない。

その背景には、代々林業を営んできた一家の歩みがある。木材価格の低迷という時代の変化のなかで、新たな仕事としてきのこ栽培に取り組み、その先に、人が訪れる場所を築いてきた。

三川観光きのこ園は、単にきのこを採って楽しむためだけの施設ではない。林業を営んできた土地の環境と、時代に合わせて仕事のかたちを変えてきた人々の営みが積み重なって生まれた場所である。

その歩みをたどると、杉林の中に広がる風景が、少し違って見えてくる。

林業からきのこ栽培へ

代々続く林業の家に生まれて

三川観光きのこ園を語るうえで欠かせないのが、この場所を築いてきた杉﨑家の歩みである。

杉﨑克彦氏は、代々林業を営んできた家の4代目として生まれた。約50ヘクタールの山林を所有する家に育ち、木と共にある暮らしは幼い頃から身近なものだった。

大学卒業後は福島県の林業試験場に2年間勤務し、そこで担当したのがきのこの生産に関わる業務である。林業を学ぶなかで出会ったきのこ栽培は、その後の人生を大きく変えることになる。

木材価格の低迷と、事業の転換

家業を継いだ後、杉﨑氏は事業の多角化の一環としてきのこの生産を始めた。当初は林業が8割、きのこ生産が2割。きのこ栽培は、本業を支える新たな取り組みという位置づけだった。

しかし、木材価格の低迷が続くなかで状況は変わっていく。山を育て、木を売るという従来の仕事だけでは経営が難しくなり、きのこ生産の割合は少しずつ増えていった。そして約10年をかけて、事業の中心はきのこ生産へと移っていく。

林業を営む家が林業を捨てたわけではない。時代に合わせて、山と向き合う仕事のかたちを変えていったのである。

1989年、三川観光きのこ園の開園

きのこ生産が軌道に乗る一方で、新たな課題もあった。丹精込めて育てたきのこであっても、市場へ出荷すれば価格は相場によって決まる。生産者自身が売値を決めることはできなかった。

そこで杉﨑氏が選んだのが、自ら人を迎え、自ら販売するという方法だった。

1989年、「三川観光きのこ園」が開園する。開園当初は簡素な設備からの出発だったと伝えられているが、その背景には、自分たちの手で価値を届け、仕事を続けていくための経営判断があった。

林業という仕事は姿を変えた。それでも、この土地で木と向き合う営みは続いている。三川観光きのこ園は、その歩みの延長線上に生まれた場所なのである。

杉林の中で育てる、自然に近い環境での栽培

三川観光きのこ園では、事業の中心がきのこ生産へ移った後も、林業を営んできた土地の環境が生かされている。

園内のきのこは、空調設備に頼らず、杉林の下の自然に近い環境で栽培されている。公式サイトでは、特に舞茸について、空調施設内での栽培が一般的となるなか、自然の中で成長させていることが紹介されている。

栽培に使われる菌床にもこだわりがある。トウモロコシの芯を原料にした輸入菌床ではなく、広葉樹のおが粉を原料とした国産菌床を使用している。冬の間に仕込まれた種菌は、ある程度まで室内で培養された後、春以降に屋外へ移され、杉林の環境の中で育てられる。

園内で栽培されているのは、舞茸、タモギ茸、ヒラタケ、ナメコ、ブナシメジ、キクラゲ、しいたけ、シロヒラタケ、トキイロヒラタケ、エリンギの10種類。それぞれ発生する時期が異なり、舞茸は例年9月下旬から10月中旬ごろが目安とされている(記事作成時点)。ナメコも秋以降に発生時期を迎える。

きのこ栽培へと仕事の形は変わっても、この土地の環境は変わらない。林業を営んできた杉﨑家は、その環境を生かしながら、今日も杉林の下できのこを育て続けている。

きのこ狩りの楽しみ方

三川観光きのこ園では、園内で育てられたきのこを、自分の手で採取することができる。

きのこ狩りは、受付できのこ採取用のバケツを受け取ることから始まる。その後は園内を歩きながら、収穫できるきのこの中から好きなものを採り、最後に重さを量って会計を行う。採取した分だけ購入する仕組みで、入園料はかからない。

園内で収穫できるきのこは、季節によって種類が変わる。舞茸やナメコをはじめ、その時期ならではのきのこと出会えるのも、この場所ならではの楽しみである。一方で、自然に近い環境で栽培されているため、発生状況は天候などの影響を受ける。来園前には、公式サイトで公開されている「本日のきのこ狩り情報」を確認しておくと安心だ。

なお、採取したきのこは持ち帰り専用となっており、園内のバーベキューハウスで焼くことはできない。

自分の手で収穫したきのこを持ち帰り、家庭で味わうところまでが、三川観光きのこ園ならではの楽しみ方である。

展望大食堂と、味わうきのこ

きのこ狩りを楽しんだ後は、園内で育てられたきのこを料理として味わうこともできる。

展望大食堂「きのこの館」は、カサブランカ園を見渡せる場所に建てられており、きのこ汁をはじめ、きのこうどん、きのこそば、天ぷらなど、きのこを使ったさまざまな料理が提供されている。

屋外には、檜造りの「華乃舞」と「見晴し乃舞」が設けられ、バーベキューを楽しめるスペースも用意されている。

きのこを育てる場所があり、そのきのこを味わう場所もある。収穫の楽しさだけで終わらず、食を通してきのこの魅力に触れられることも、三川観光きのこ園の特徴の一つである。

メニューや料金は季節によって変更される場合があるため、来園前に公式サイトで最新情報を確認しておくと安心である。

秋を彩る、もうひとつの主役「カサブランカ園」

三川観光きのこ園を訪れる楽しみは、きのこだけではない。秋になると、園内ではカサブランカが見頃を迎える。

カサブランカは本来、夏に花を咲かせるユリである。しかし、この園では球根に特殊な処理を施すことで、例年9月から11月にかけて花を楽しめるよう開花時期が調整されている。きのこ狩りの時期に合わせて花を楽しめるよう工夫されていることも、この園ならではの特徴である。

展望大食堂「きのこの館」からは、園内に広がるカサブランカ園を見渡すことができる。秋には、杉林の緑と白い花が織りなす風景が広がり、きのこ狩りや食事とともに季節の彩りを楽しめる。

きのことカサブランカが同じ時期に楽しめる風景は、三川観光きのこ園を象徴する魅力の一つとなっている。

家族で過ごせる園内施設

三川観光きのこ園には、きのこ狩りや食事だけでなく、一日をゆっくり過ごせる施設も整えられている。

園内にある「竹取物語」は、竹取物語をイメージして造られた大型のトイレである。のぼり梁を月に、腕木を雲に見立てるなど、日本建築の意匠が取り入れられ、桧やケヤキ、杉といった木材が随所に使われている。観光施設の付帯設備でありながら、建物そのものも見どころの一つとなっている。

売店の2階には「杜乃樹」があり、卓球台やビリヤード台、エアホッケー台、将棋盤などを無料で利用できる。また、高台に建てられた「天空の館」からは園内を見渡すことができ、こちらにも卓球台やエアホッケー台が設置されている。

きのこ狩りを楽しみ、食事を味わい、園内を散策しながら思い思いの時間を過ごす。三川観光きのこ園は、収穫だけを目的とした施設ではなく、自然の中でゆっくりと一日を過ごせる場所として整えられている。

杉林が育てた、もうひとつの仕事

三川観光きのこ園の始まりは、林業を営んできた杉﨑家が、木材価格の低迷という時代の変化のなかで、きのこ栽培という新しい仕事に取り組んだことにある。市場に価格を委ねるのではなく、自分たちで売値を決めたいという一つの判断が、1989年の開園につながった。

林業という仕事は姿を変えた。それでも、この土地と向き合う営みは続いている。

杉林の下で、今日もきのこが育てられている。

基本情報

項目内容
施設名三川観光きのこ園&カサブランカ園
所在地新潟県東蒲原郡阿賀町吉津3520
電話番号0254-99-3773
開園期間4月1日~11月30日(期間中無休)
営業時間9:00~15:30(記事作成時点)
入園料無料(採取したきのこは量り売り)
アクセス磐越自動車道「三川IC」から車で約3~5分/JR磐越西線「三川駅」から車で約3分
駐車場普通車200台・大型車50台

※きのこ狩りの受付時間、料金、メニュー内容、収穫できるきのこの種類や発生状況は時期によって変動します。来園前に最新の情報を公式サイトまたは電話でご確認ください。

周辺には三川温泉、新三川温泉(ホテルみかわ跡地)があります。詳しくは、当サイトの「三川温泉」の記事もあわせてご覧ください。

  • URLをコピーしました!
目次